2022年7月30日土曜日

倖せはここに

 

真っ青な夏空に浮かぶ白い雲。



桑も元気に育っています。

鮮やかな緑が目に眩しい。



あいかわらずの草刈りの毎日。

梅雨で蓄えた水分と、眩しい太陽の恵みで、草も勢いが増し増し。

40分程草刈したら、木陰に入って長めの休憩。

水分摂ったら、すかさず靴と麦わら帽子を脱いで、体にたまった熱を放出してクールダウン。

 

休憩時間には、近所の91歳のおじいちゃんがお茶うけ(お菓子)を持って遊びに来てくれる。

いつも15分程でサクッと帰って行かれるのだけど、毎回1話づつ幼少時代の思い出話しを聞かせてくれる。

私にとっての『朝の連続テレビ小説』生ライブ。

贅沢な時間だ。

 

 

帰り際にはいつも、『ボチボチやんなっせよ。』と声をかけてくれる。

ありがとうございます。その言葉が、いつもボチボチすぎて不安な私の心を軽くしてくれる。

 

 

 

汗だくで部屋に戻ると、可愛い2人が出迎えて...はくれないが、待っていてくれる。

ふうた

 

てん

 

ひとっ風呂浴びる前に、2匹をこねくりまわす。

ふうちゃん、てんちゃん、ただいまー。

ちょっと抱っこさせてー。

 

 

あっ、ふうちゃん・・・

 

 

  あっ、てんちゃん・・・

 

 

ちょ、待てよ・・・

 

 

 

幸せな毎日だ。

 

 

 

ここのところ、ほとんどブログを開くことなく過ごしておりましたが、

真面目に、大切に、お蚕さんを育て、農作業に勤しんでおりました。

 

そして昨年は、『蚕から糸へ糸から着物へ』という取り組みを行い、学び多き素晴らしい時間を過ごしました。(こちらはまた改めて)

 

 

この1年半程の間、両親の入院、リハビリなどで、慌ただしい日々を送っておりましたが、ようやくこの生活にも慣れてきて、少しづつ落ち着いてきました。

その間、周りのたくさんの方々にお世話になり、そして医療従事者の方々への感謝は尽きません。

今は、担当のケアマネージャーさんに色々とアドバイスをいただいたり、分からないことは相談をしたりしながら、皆が快適に過ごせるよう暮らしを整えたりしながら、両親・娘(私と姉)・猫・亀 共に、小さな小さな、幸せと喜びと発見と感動を詰め合わせたような、穏やかな日々を送っております。

 

 

生活や環境など、自分の中でさまざまな変化があった1年半、なんだか、自分の精神や思考回路が以前と大きく変わったなあと思います。

色んなものがそぎ落とされてスリムにシンプルになったような。

 

変化が起こるたび、それが日常となっていくまでの間は、苦しいことの方が多くて、何度も何度も自己嫌悪に陥ったり、自分の精神の未熟さを知るたびに落ち込む日が続いたりもしたけれど、今思えば、その間の焦ったり葛藤したり抗ったりもがいたりしてる時間の中にたくさんの学びや成長があって、無意識に思考を調整したり、そぎ落としたりしながら、いつの間にか変化が日常へとなっていったような気がします。

 

そんな変化を繰り返すたびに、幸せのハードルがどんどんと下がって、目の前にある小さな小さな幸せにたくさん気付けるようにようになった気がします。

 

 

色々とキャパオーバーな日々の中で、自分にとって大切なものは歯を食いしばってでもムンズとしっかり掴んでいたけれど、指の間からこぼれ落ちてしまったものたちは仕方がない。もう本当に、考えても仕方がない。

 

思考回路が随分とシンプルになった現在、考えたいことと考えても仕方ないこと。悩みたいことと悩んでも仕方ないこと、の分別がとても上手にできるようになりました。

気持ちの切り替えも。

 

 

 

この1年余り、なんとなく、自分の心と体の歯車がうまく噛み合っていないな~と、強く感じていたけれど、たぶん、これからの自分の生き方に合わせたもっとシンプルで軽やかな歯車に、新しく作り替えられていた調整の時間だったのだろうと思う。

 

これまでの人生で知らないうちに抱え込んできた、思考の癖や、拘りや執着などなど。もうこれからの人生に必要のなくなった色んなものに感謝をしながら、手放したり、昇華させたり。そんな時間だったのだろうと思う。

 

シンプルな目線で、日々小さな幸せを見つけていこう。

 

私にも、夢や目標といった、自分で描いた人生の地図のようなものを持ち合わせてはいるけれど、どこかにある幸せではなく、今、ここにある、見過ごしてしまいそうな小さな小さな幸せをひとつづつ集めて、それを慈しみ感謝しながら生きていれば、たいそうな地図など持たずとも、おのずと同じような場所に辿り着くような、そんな気がしています。

 

もう間もなく、新しくリニューアルした歯車がコトンと噛み合う音が聞こえてくるような、そんな気がしている今日この頃です。

 

 

暑い日が続いておりますが、どうか皆さまお身体には気を付けて、暑い夏を乗り越えていきましょう。

 

2022年1月18日火曜日

2022年

 

今年もどうぞよろしくお願いいたします。




養蚕農家として繭の出荷をさせていただくようになって、10年が経ちました。

本当にたくさんの方々にお世話になり、助けていただきながら、続けることができました。

これからも、感謝の気持ちを忘れずに、大切にお蚕さんを育ててまいります。

ただいま、下の桑畑の剪定中です。

細い枝や不要な枝などを切り落として、すっきり整然と並ぶ桑が気持ちいい。

綺麗に整った畑で、万全に春のお蚕さんをお迎えしたい。

 

穏やかで健やかな年となりますように。

 

2021年5月1日土曜日

ホームページを引っ越ししました

ホームページ・ブログを引越しいたしました。

宜しくお願いいたします。



2020年11月20日金曜日

晩秋繭

 


10月下旬、晩秋繭の出荷を、着物エディターの安達絵里子さんが見守ってくださり、その時のことを記事に書いてくださいました。






乾燥をしていない『生の繭』。

この量で着物一反分程の生糸になると言われています。

これから座繰り家さんのもとへと旅立つ、出来たばかりの繭を見つめる安達さんのあたたかな眼差しと言葉、本当に嬉しかったです。

安達さんのエッセイには、美しい着物を心から大切に楽しまれている様子が描かれています。


人の手によって生み出された様々な『もの』を見ていると、季節の移ろいを感じたり、暮らしに彩りを与えてくれたり、毎日をほんの少し楽しくさせたり、また時には、気持ちを奮い立たせてくれるようななにかだったりと、作り手の粋な遊び心や仕掛けが隠されているみたいだ。とか思うことがあります。

安達さんの着物選びや小物選びは、時代を超えて作り手さんとおしゃべりを楽しまれているかのような、作り手がそっと忍ばせた遊び心を、宝物のように見つけて受け取られているような、そんな日々の豊かなやりとりを読ませていただいているような気持ちになります。



街へ出かけると、お着物姿で歩かれている方をたまにお見かけすることがあります。
背筋をピンと伸ばし、目線はまっすぐに前を見て、口元は少しほほ笑んでいるような、
その佇まいは本当に美しいな。と見惚れてしまいます。

着物を、絹を、大切に心から楽しんでいらっしゃる人を見るたびに、

お蚕さんを育てるひとりとして、技術面も精神面も、さらにもう一歩先へと進んでいけるような、あたたかい風がそっと背中を押してくれているような、そんな気持ちになるのです。

2020年11月6日金曜日

自然の宝石

夏の間放置していた、庭木の剪定と草刈を。

立派な松の木。

いつも素人ながらに、これで良いのだろうか?と思いながら剪定。

松の木の下でボーボーになっていた笹などを鎌で切り進めていると、

ん?なんかある。


ひぃぃぃぃぃぃーん。。
直径20cmほどのハチの巣。
そういえば、夏から庭先でダゴ蜂に出くわすことが多々あった。

まあ、こちらが何もしなければ何もしてこないので、放って置いたのだが、
こんな近くに巣があったのか。

でも穴が開いてる。
ここら辺には、タヌキや色んな動物が来るので、蜜を拝借したのかもしれない。
でも、まだ蜂はいるのかもしれない。。。私には知識がない。。。

うぅぅ~ん、どうしよう。。

今度、近所の知識人に聞いてみることにして、

とりあえず、今日は見なかったことにしよう。


気を取り直して、近所の竹やぶに、この季節ならではの木の実を採取に。


クサギの実。

とても綺麗な青色に染まる。


庭先で、頭の片隅で蜂の巣どうしようかと気にかけながら、実を外す。


自然は美しい色に溢れている。

今年も拝借いたします。

クサギ。独特な臭いがすることから、臭木と呼ばれている。

私には、深く青く植物らしい良い香りだと感じるのだけど、どうかしら?ふうちゃん。


早く、このクサギの実で染めたいな。と、思うのだけど、その前に糸を紡がなきゃ。

と、その前に草刈しなきゃ、畑耕さなきゃ、蜂の巣どうにかしなきゃ・・・。

色々やることはあるけれど、その季節ならではの草花や実をいただいて、今年はどんな色に染まるのだろうというワクワクした気持ちは、目の前に美味しい人参ぶら下げて走ってるかのように、毎日の畑仕事にも馬力が出るのです。 




2020年11月3日火曜日

気付けば11月

 

早いもので11月。

11月ってこんなに寒かったかな?

今年は霜が降りるのも早そうです。


新しいパソコンを、ようやく箱から取り出しセットしました。

使っていたノートPCが壊れかけていて、8月に購入していたのですが、育蚕や栗の収穫などでなかなか開封することが出来ないまま、気づけば11月になってしまいました。

インターネット、本当に便利な文明の利器です。

買い物や情報収集など、ネットなしでの生活はもう考えられないくらい、私の生活の一部になっていますが、この2か月間は、ほとんどネットを開くことはありませんでした。

農繁期だったことやパソコンが壊れてかけていた、ということもありますが、なんでしょうか、、、少し、ネットから溢れ出てくる情報に、自分が疲弊していたように思います。

自分で情報をコントロールできる人間であれば良いのでしょうが、ついつい、エッ?と思うような見出しがあると覗いてしまうし、次から次へと勝手に入ってくるものもあるし、そして、気持ちが少し落ち込んでいる時には、余計に落ち込むようなものをなぜか覗いてしまったり。。。

私は耳から目から入ってきた情報を、いちいち深く考え込んでしまう癖があるようで。流せばいいのに。考えても意味のないこと(の方)が多いのに。

そんなこんなで、コーヒーカップ理論的な自分の中にある器が、情報と思考のごった煮で溢れかえっていたような、2020年夏。。


この2か月の間、目の前の育蚕と栗の収穫で毎日必死だったこと、ネットと距離を置いたこと、により、溢れかえっていたコーヒーカップは見事に空になりました。真っさらです。

せっかく綺麗に真っさらになったのだから、次は美しく心地よい情報と思考を注いでいきたいな。と、思うのですが、

断捨離や部屋の大掃除をした後に、もう2度とモノを増やさないぞ。と決意するも、喉元すぎれば、古道具屋でわけのわからない道具を買ってきてしまうように、、

断食や内視鏡検査で、空っぽで綺麗な胃腸になった時、これからは体に良いものしか食べないぞ。と決意するも、喉元過ぎれば、ギトギトの豚骨ラーメンやもつ鍋でビール三昧してしまうように、、

きっとこれから先も、楽しいこと嬉しいこと辛いこと悲しいこと、色んな情報に自分の感情が振り回されることがあるのだろうと思う。


煩悩があるから楽しいことがある。けど、辛いこともある。

仕方ないよね。『人間だもの。』と、万能な言葉で時には自分を許し慰めながら、でも、ほんの少しだけ賢く、毎日を生きていきたいと思う。

そして、便利で不可欠なインターネット、これからも上手に付き合っていきたいなと思う。



ちなみに、ノートパソコンが壊れた一因は、彼(ふうた♂3歳半)にもあると思われる。

目を離すと必ずPCに乗ってくる。ということが3年もの間繰り返されていた。

なんかノートのキーボードが心地よいらしい。

おかけで彼が乗っていなくてもキーボードが勝手に連打するようになった。

メールを書いていると、色んなキーが勝手に連打しだす。

で、毎回、メールを書き始めて2分程で、backspaceキーが連打しだし、勝手にメールを消去しだす。

『なお、このメッセージは自動的に消滅される。』

と、チャーリーの声が聞こえてくるようだ。とか思ったけど、マジで笑えない。

2分という壁と戦いながら何度もメールを書き直し、忍耐力は鍛えられたようだが、最後は根負けして、スマホでポチポチと返信した。(スマホの文字打ち苦手です。)

と、いうわけで、この2か月間、色々とマスクや育蚕のお問い合わせをいただいておりましたが、メールの返信がいつも遅くなり、大変申し訳ございませんでした。


かわいい僕に免じてお許しを。。。


しかし、同じ轍は踏みたくないので、今度は久しぶりのデスクトップパソコンにしました。

2020年8月26日水曜日

育蚕準備

 まもなく始まる秋の育蚕に向けて準備中。


稚蚕飼育室の床を綺麗に磨いて消毒。



道具や土間もしつこいくらい何度も消毒。



稚蚕(1令~3令)はとくに病気や菌に弱くデリケートなので、もう神経質なくらいに消毒をします。

育蚕前の、楽しみな気持ちと緊張と不安が入れ混じった気持ち、この逸る気持ちを抑えるには、自分が納得するまでの準備と、しっかりとした段取りを行うしかありません。
段取り八分 仕事二分 とはよく言ったものです。。。




壮蚕(4令~5令)を飼育する蚕室も、蚕台に網を張って、こちらも綺麗に消毒。


蚕室にスポットクーラーを2台購入しました。

どうやったらか風を効率よく回せるかを、ただいま実験中。

暑さ対策で色んな工夫はしているのですが、ここまで暑いとなかなか蚕室の温度を下げるのも難しく。。。

でも、出来ることは全て試してみたい。

少しでもお蚕さんに快適に桑を食べ過ごしていただきたいのです。

そして、繭に与える影響を少しでも軽減したいです。



秋の育蚕は春より飼育量が少ないのですが、栗の収穫期とかぶり、とても慌ただしいものになります。

しっかりと育蚕の準備を行うと共に、体調もしっかり整えていきたいと思います。



最近暑すぎて少し食欲が落ちていたのですが、今は体力をつけることを意識しながらしっかりと食べています。

収穫した野菜。


そして先日、宮崎の織姫さんから、自家製の梅シロップとラッキョウと梅酒が届きました!

梅シロップのソーダ割とラッキョウを毎日いただいているのだけど、

ななな、なにこれッ!翌日の体がすごく軽い。

梅のエキスとラッキョウのお酢が体の隅まで行きわたり、暑さで疲れた体を癒してくれている感じ。

昔から体に良いとされる先人の知恵。

こんなに効くんだな。。と、身をもって実感。

来年は私も漬けよう!

おかげさまで、暑い夏も秋の育蚕も栗も乗り越えられそうです。


2020年8月24日月曜日

幸せな時間

 


7月の初め、染色作家の吉田美保子さんと、着物エディターの安達絵里子さんが遊びに来てくださいました。

たくさんのお話をして、それはもうとてもとても贅沢で幸せな時間でした。




その時のことを、安達絵里子さんが、エッセイに書いてくださいました。

一生の宝物です。嬉しい。。そして、泣けた。。
(自分のことなのに・・いろんなことを思い出して泣きました。。)
本当にありがとうございました。

毎日を着物で過ごされている安達さん。
所作も姿勢も指先までも凛として美しく、そして、言葉が本当に美しい人だな。と思いました。

なにげない会話でも、まるで1冊の物語を読んでいるような、その物語の中には粋な遊び心やお茶目な可愛らしさが織り込まれていて、それはとても心地よく、会話の中の言葉をひとつも聞き逃したくないな。という気持ちになりました。

言葉のひとつひとつを、とても大切に、大事にされていらっしゃるんだなと思いました。

安達さんの語られた言葉は、私の耳にではなく、しっかりと心の中に残っています。


誰かに何かを思いを伝えるって難しいなと、いつも思うのですが、自分の言葉を大切にしたらもう少し相手にちゃんと伝えることができるのかもしれません。
私には訓練が必要ですが、これからは自分の言葉を大切にすることを少し意識しながら、会話を楽しんでみたいなと思いました。




そして、染色作家の吉田美保子さん。
4年前に熊本で個展をされた際に初めて作品を拝見し、それ以来ずっと、吉田さんの作品と吉田さんご本人のファンです。


↑ ↑

安達絵里子さんが、吉田さんの織られた着物のこと、4年前の熊本での個展のことを書かれています。吉田さんと安達さんの着物でのツーショット。
私が初めて個展で拝見した時です。
本当に美しい。。

私は、着物の知識はないのですが、お蚕さんを育てるひとりとして、絹で織られた着物や作品を見るのがとても好きです。

吉田さんの織られた着物や帯を初めて見たとき、とても清らかで眩しくて心は興奮しているのに、見ているととても穏やかな気持ちになっていくのを感じました。
それはもう、絹の経糸緯糸一本一本の細部までとても美しかった。

そして、ひとつひとつの作品について説明をされている吉田さんご本人と作品が、まるで全く同じ光を放っているような、不思議な世界に自分が入り込んでしまったかのような錯覚がおきました。

ひとつの作品が織りあがるまでに行われるたくさんの工程、筬を打ち込む指先、踏み木を踏む足先、その全てに感覚を研ぎ澄まし全神経を集中すれば、作品と作り手が同じ光を放つようになるのだろうか。と、個展からの帰り道、いろんな空想が私の頭の中を駆け巡りました。

なんともうまく言い表せない不思議な気持ちを味わったのと同時に、『あぁ、人はこうやって美しいものに 人に 出会い、心動かされ、作品の、作家さんの、ファンになっていくのだな』と、思いました。

織ることを生業とされ、大海原の中をしっかりと自分の手で船を漕ぎながら生み出された美しい作品。

清らかで力強くもある美しい作品に触れるたび、心が満たされるとともに、私はお蚕さんのことをとても誇らしく思うのです。
そして、私も誠心誠意、大切にそして真剣にお蚕さんを育て、良質な繭となるようもっと学び勉強していきたいと、心から強く思うのです。



本当に楽しく幸せな時間をありがとうございました。

がんばります!