2014年12月26日金曜日

サンタが街にやってくる

12月中頃のお話。

クリスマスソングが鳴り響くコンビニでおでんを物色していたら、1本の電話がありました。

『山鹿に来ているのですが、養蚕をされている花井さんでしょうか?お会いできますか?』

とのことで、待ち合わせの場所に行くと、素敵なご夫婦が待っていらっしゃいました。


40年程前まで、ご両親が養蚕業を営まれていたとの事。

『紡ぎ車に座繰り機、現在使うことはもう無いけど両親が大事にしていたものなので、捨てることが出来なかった。良かったら使ってください。』 との事。

!!!

えっーえっー!!

こういうのがサプライズっていうのかな。

嬉しさと興奮のあまり、話しこんでしまいました。



そしてふと、こんなにも大切なものを戴いたのに、私にはお返しできるものがなにもない・・。

あ、そういえば、こないだ紡いだ糸を車に積んでたな。と、思い出し

奥様が編み物をされるとの事だったので、手紡ぎの糸を2枷お渡しすると、

『・・・懐かしい。お母さん、いつも糸紡いでたよね。昔は家にこうゆう糸がたくさんあったよね。この手触り本当に懐かしい。』 と、

とても喜んでくださいました。


その姿を見て、私は、嬉しい、というより、それを通り越した不思議な幸福感に全身が包まれました。


長い年月大切にされていた紡ぎ車と座繰り機。
私の元へ来てくれてありがとう。

天国のお母さまに、『まだまだ修行が足りん。』
と、言われそうですが、これから戴いた紡ぎ車でしっかり勉強したいと思います。

足踏み式の糸車。昭和23年、66~7年前のもの。
まだまだギュンギュン回ります。

サンタさんは田中さん。
大切に大切に使わせていただきます。
本当にありがとうございました。