2020年11月20日金曜日

晩秋繭

 


10月下旬、晩秋繭の出荷を、着物エディターの安達絵里子さんが見守ってくださり、その時のことを記事に書いてくださいました。






乾燥をしていない『生の繭』。

この量で着物一反分程の生糸になると言われています。

これから座繰り家さんのもとへと旅立つ、出来たばかりの繭を見つめる安達さんのあたたかな眼差しと言葉、本当に嬉しかったです。

安達さんのエッセイには、美しい着物を心から大切に楽しまれている様子が描かれています。


人の手によって生み出された様々な『もの』を見ていると、季節の移ろいを感じたり、暮らしに彩りを与えてくれたり、毎日をほんの少し楽しくさせたり、また時には、気持ちを奮い立たせてくれるようななにかだったりと、作り手の粋な遊び心や仕掛けが隠されているみたいだ。とか思うことがあります。

安達さんの着物選びや小物選びは、時代を超えて作り手さんとおしゃべりを楽しまれているかのような、作り手がそっと忍ばせた遊び心を、宝物のように見つけて受け取られているような、そんな日々の豊かなやりとりを読ませていただいているような気持ちになります。



街へ出かけると、お着物姿で歩かれている方をたまにお見かけすることがあります。
背筋をピンと伸ばし、目線はまっすぐに前を見て、口元は少しほほ笑んでいるような、
その佇まいは本当に美しいな。と見惚れてしまいます。

着物を、絹を、大切に心から楽しんでいらっしゃる人を見るたびに、

お蚕さんを育てるひとりとして、技術面も精神面も、さらにもう一歩先へと進んでいけるような、あたたかい風がそっと背中を押してくれているような、そんな気持ちになるのです。

2020年11月6日金曜日

自然の宝石

夏の間放置していた、庭木の剪定と草刈を。

立派な松の木。

いつも素人ながらに、これで良いのだろうか?と思いながら剪定。

松の木の下でボーボーになっていた笹などを鎌で切り進めていると、

ん?なんかある。


ひぃぃぃぃぃぃーん。。
直径20cmほどのハチの巣。
そういえば、夏から庭先でダゴ蜂に出くわすことが多々あった。

まあ、こちらが何もしなければ何もしてこないので、放って置いたのだが、
こんな近くに巣があったのか。

でも穴が開いてる。
ここら辺には、タヌキや色んな動物が来るので、蜜を拝借したのかもしれない。
でも、まだ蜂はいるのかもしれない。。。私には知識がない。。。

うぅぅ~ん、どうしよう。。

今度、近所の知識人に聞いてみることにして、

とりあえず、今日は見なかったことにしよう。


気を取り直して、近所の竹やぶに、この季節ならではの木の実を採取に。


クサギの実。

とても綺麗な青色に染まる。


庭先で、頭の片隅で蜂の巣どうしようかと気にかけながら、実を外す。


自然は美しい色に溢れている。

今年も拝借いたします。

クサギ。独特な臭いがすることから、臭木と呼ばれている。

私には、深く青く植物らしい良い香りだと感じるのだけど、どうかしら?ふうちゃん。


早く、このクサギの実で染めたいな。と、思うのだけど、その前に糸を紡がなきゃ。

と、その前に草刈しなきゃ、畑耕さなきゃ、蜂の巣どうにかしなきゃ・・・。

色々やることはあるけれど、その季節ならではの草花や実をいただいて、今年はどんな色に染まるのだろうというワクワクした気持ちは、目の前に美味しい人参ぶら下げて走ってるかのように、毎日の畑仕事にも馬力が出るのです。 




2020年11月3日火曜日

気付けば11月

 

早いもので11月。

11月ってこんなに寒かったかな?

今年は霜が降りるのも早そうです。


新しいパソコンを、ようやく箱から取り出しセットしました。

使っていたノートPCが壊れかけていて、8月に購入していたのですが、育蚕や栗の収穫などでなかなか開封することが出来ないまま、気づけば11月になってしまいました。

インターネット、本当に便利な文明の利器です。

買い物や情報収集など、ネットなしでの生活はもう考えられないくらい、私の生活の一部になっていますが、この2か月間は、ほとんどネットを開くことはありませんでした。

農繁期だったことやパソコンが壊れてかけていた、ということもありますが、なんでしょうか、、、少し、ネットから溢れ出てくる情報に、自分が疲弊していたように思います。

自分で情報をコントロールできる人間であれば良いのでしょうが、ついつい、エッ?と思うような見出しがあると覗いてしまうし、次から次へと勝手に入ってくるものもあるし、そして、気持ちが少し落ち込んでいる時には、余計に落ち込むようなものをなぜか覗いてしまったり。。。

私は耳から目から入ってきた情報を、いちいち深く考え込んでしまう癖があるようで。流せばいいのに。考えても意味のないこと(の方)が多いのに。

そんなこんなで、コーヒーカップ理論的な自分の中にある器が、情報と思考のごった煮で溢れかえっていたような、2020年夏。。


この2か月の間、目の前の育蚕と栗の収穫で毎日必死だったこと、ネットと距離を置いたこと、により、溢れかえっていたコーヒーカップは見事に空になりました。真っさらです。

せっかく綺麗に真っさらになったのだから、次は美しく心地よい情報と思考を注いでいきたいな。と、思うのですが、

断捨離や部屋の大掃除をした後に、もう2度とモノを増やさないぞ。と決意するも、喉元すぎれば、古道具屋でわけのわからない道具を買ってきてしまうように、、

断食や内視鏡検査で、空っぽで綺麗な胃腸になった時、これからは体に良いものしか食べないぞ。と決意するも、喉元過ぎれば、ギトギトの豚骨ラーメンやもつ鍋でビール三昧してしまうように、、

きっとこれから先も、楽しいこと嬉しいこと辛いこと悲しいこと、色んな情報に自分の感情が振り回されることがあるのだろうと思う。


煩悩があるから楽しいことがある。けど、辛いこともある。

仕方ないよね。『人間だもの。』と、万能な言葉で時には自分を許し慰めながら、でも、ほんの少しだけ賢く、毎日を生きていきたいと思う。

そして、便利で不可欠なインターネット、これからも上手に付き合っていきたいなと思う。



ちなみに、ノートパソコンが壊れた一因は、彼(ふうた♂3歳半)にもあると思われる。

目を離すと必ずPCに乗ってくる。ということが3年もの間繰り返されていた。

なんかノートのキーボードが心地よいらしい。

おかけで彼が乗っていなくてもキーボードが勝手に連打するようになった。

メールを書いていると、色んなキーが勝手に連打しだす。

で、毎回、メールを書き始めて2分程で、backspaceキーが連打しだし、勝手にメールを消去しだす。

『なお、このメッセージは自動的に消滅される。』

と、チャーリーの声が聞こえてくるようだ。とか思ったけど、マジで笑えない。

2分という壁と戦いながら何度もメールを書き直し、忍耐力は鍛えられたようだが、最後は根負けして、スマホでポチポチと返信した。(スマホの文字打ち苦手です。)

と、いうわけで、この2か月間、色々とマスクや育蚕のお問い合わせをいただいておりましたが、メールの返信がいつも遅くなり、大変申し訳ございませんでした。


かわいい僕に免じてお許しを。。。


しかし、同じ轍は踏みたくないので、今度は久しぶりのデスクトップパソコンにしました。