2014年1月31日金曜日

夜霧よ今夜も有難う

昨晩霧が深いな~と思っていたら、今朝畑には霧が立ち込めていました。
桑の枝がキラキラしていたので良く見てみると、無数の蜘蛛の糸が畑の隅から隅までびっしりと張り巡らせてありました。
霧をまとった蜘蛛の糸はいつもより太く輝いています。
もしかして蜘蛛たちは今、恋の季節なのでしょうか。
霧深い夜を合図に逢瀬を繰り広げた宴のあとのようです。

『しのび会う恋を~ つつむ夜霧よ~ 知っているのか~ 二人の仲を~
 晴れて会える~ その日まで~ 隠しておくれ~ 夜霧~ ゎゎゎゎー 夜霧~ゎゎゎゎー』 by裕次郎

きっとこんな唄を口ずさみながら輝く糸を道標に無数の蜘蛛たちが行進をしていたのでしょう。
そして若い蜘蛛達を見守る、既に恋愛を引退したバンマス蜘蛛のサクソフォン。
しばし目を閉じてjazzyな夜のランデブーに思い馳せる事数分間・・・

はっ!いやっ、だから、こんな事してる場合じゃない。

今日も元気にバッサバッサと切り倒してきました。
蜘蛛の巣もろとも・・・。

2014年1月28日火曜日

カモフラージュ

桑の木の伐採。
先輩農家の方はすでに終わられたとの事で・・。
2月末には堆肥や肥料を入れるので頑張らないと。

伐採した枝を運ぼうと思ったら、枝の上に可愛いバッタが。
草木が生い茂る時期は緑色のバッタ、今の時期は枯れ葉色のバッタと周りの色にうまく溶け込んでいます。
身体は迷彩柄で目は赤く、枝になりきっている姿はとても可愛らしく観察もかねてしばし休憩。

数分後、私が立ち上がると同時に、
『やれやれ、見つかったかと思ったぜっ』と安堵の表情を残しバッタもピューンと飛んで行きました。
お疲れさま。

って、いやこんな事してる場合じゃない。早く枝を運ばなきゃ。

・・でも、あと1年も経てば私も慣れて、昆虫を見て驚いたり観察をすることもなくなるでしょう。
農家になりたての今はなにもかもが新鮮に映ります。
この限りある今の気持ちを大事に、昆虫や鳥や花をゆっくり愛でても良いのではなかろうか。

という、休憩の言い訳。

カモフラージュしているのはバッタだけではないようです。

2014年1月27日月曜日

糸綜絖

年代物の糸綜絖(そうこう)。
糊がはがれて糸が乱れていたため修繕をしました。
綜絖をまじまじと見たのは初めてだったので、興味深く観察しながら修繕開始。

【1時間目】 細かい作業が楽しくて仕方がない。
        仕組みが分かってきて『これ自分で作れるかも!』などと考える。
【2時間目】 瞼が痙攣しだす。
【3時間目】 餅は餅屋だと、当たり前の事に気づく。

こんなすごいもの、自分で作れるはずがない・・。

これを最初に考えた人すごいなあ。
そして、最初に糸を織って布をつくろうと考えた人すごいなあ。
さらに、繭から絹糸をつくろうと思った人すごいなあ(誤ってお湯に落としたことがはじまりのようですが)。
目を閉じて昔の人のものを生み出す発想の豊かさに思いを馳せました。
瞼を痙攣させながら・・。

私は金綜絖(そうこう)でしか織ったことがありませんが、糸綜絖は絹糸にとても優しそうな感じがします。
いつか自分の作品も糸綜絖で織ってみたいなあ。
まずは引っかけ輪に通すことから覚えないといけません。
楽しみだ。

2014年1月26日日曜日

製経完了

先日座繰りした『百花堂』さん展示用の縦糸。
ようやく整経が完了しました。
明日納入。ぎりぎり間に合った・・。
繭500個位で少し太めの1300m程の座繰り糸です。
手紡ぎ糸もぬくもりがあって好きなのですが、座繰り糸の光沢や艶はいつ見てもうっとりします。
以前、座繰り糸を本職とされている方の作業風景を拝見したのですが、指先の感覚で繭の量を調整し1つ1つ継ぎ足していくその正確な手作業は何時間でも眺めていたくなるほど美しい姿でした。
その方は指先をとても大事にされていました。荒れてしまうと感覚が鈍くなり繭や絹糸が扱いにくいとの事。
『指先は大事にされてくださいね』と、優しく教えていただきました。
私は毎日の農作業で手はガッサガサです。繭や真綿を扱っていると荒れた指に繊維がまとわりつき、『だぁぁぁも゛ぉぉぉぉ』と叫んでしまったこともしばしば。
しかし最近、荒れすぎが進化し指紋がなくなってしまい指先だけツルツルの状態になってきました。
おお、これは快適です。
私は本職の方々のように反物を織るような綺麗で正確な糸を引くことはできませんが、自分の引く無骨で洗練されていない糸も愛嬌があってとても好きです。
でも10年後くらいにはもう少し上達しているかなぁ。

2014年1月25日土曜日

記録

いつもお世話になっている地域カメラマンの佐伯さんが畑に来られました。
さまざまな文化の記録を撮影しておられ、養蚕の事も熱心に調べ記録を残されています。
本当に熱いお方です。
先日ご自身も出演されていた『繭』紹介のニュース番組のDVDを持ってきてくださいました。
育蚕期も来られていたのですが、育蚕期間中の私は神経ピリピリでほとんど誰とも会話をすることもなく、無愛想極まりない人間と化してしまうので、その申し訳なさもあり今回は必要以上に笑顔でお話させていただきました。
怖かったでしょうか?
そしてたくさんの写真をいただきました。育蚕期間中あまり写真を残せなかったので本当に嬉しかったです。
なにより自分が作業している姿を写真で見れたのは照れますが嬉しかったです。
ありがとうございました。
今回の伐採の様子も撮っていただきました。
いつもこのような格好で作業をしています。
先日友人から、『洋服とかどこで買ってるの?』と聞かれ、無法松(作業着専門店)・グッデイ・ナフコ・・・。
この1年余り、作業着しか買っていないことに気づきました。
そしてこの作業着、枝に引っかかって3日に1度破れます。
毎回買うのもバカにならないので、得意のお裁縫でチクチク縫い合わせているのですが、
今朝は出掛けに玄関のドアノブに引っかかって大きく裂けました。
畑ならまだしも・・・・。
納得がいかない気持ちのまま、とりあえず着替えて畑に向かいました。

佐伯さん、現在の大プロジェクト、完成を楽しみにしております!

2014年1月24日金曜日

チャージ制

ポイントチャージ制。
昔からの癖。
ちょっとしたいい事があると、店員が叫びます。

『はい、イケメン入りましたー』
『はい、おもてなし入りましたー』
『はい、笑顔入りましたー』
『はい、ナイスギャグ入りましたー』
『はい、ワイン3リットル入りましたー』
まだまだ、本日は盛りだくさん。

日頃あまり人と会わないので、人の多い福岡に1日滞在しただけでポイントがざっくざっくチャージされました。
使いたい、このチャージしたポイントをどこかで使いたい。
とりあえず、nimocaを落として拾ってくれたお兄さんと、帽子を落として追いかけてきてくれたカフェのお姉さんに、とびっきりの笑顔でお礼を言いました。チャリンチャリン2P使用。・・・落し物多い。

ポイントザクザクの浮かれた状態で山鹿に戻ってきたら、なんだか人と喋りたくなってご近所さんちへ遊びに行ったら、『ちょっと痩せたんじゃない?ちゃんと食べよると?』と、心配していただき、大量のお肉とお米にビールを持たせてくれました。
ありがとうございます。・・・人一倍食べてます。
そして夜、近所のおじさまが『赤ナマコがあるけん取りにおいでー』との連絡。
嘘っ!赤ナマコ!
小学生の頃浜辺に転がったウミウシを『なまこ』と思ってかじろうとして流れ出した紫色の液体を見て気絶しそうになった程大好きです。

チャージMAX。来週福岡に行くまでに使ってしまおう。
畑で辛くなったら全部使おう。
いつもポイントいただいてばかり。
私もちゃんと返せる人になりたい。