2014年10月27日月曜日

糸糸糸

落ち着いたら、はまってやりたかった糸づくり。
ここ2週間、紡ぎまくってます。
糸をつくったら早く織りたくなって、織り始めたら、また別の糸を紡ぎたくなって、
結局落ち着きのない毎日です。
今年に入ってからずっと、試してみたい紡ぎや織りがたくさんありました。
ようやくゆっくりした時間ができ、今一気につくりたい気持ちが炸裂しているようです。

糸つくりも織りも、実験の繰り返しがまた楽しい。
これまで教えていただいたことを、ひとつづつ思い出しながらつくっています。

養蚕が盛んだった頃、ほとんんどの農家さんの家には織り機や座繰り機があったそうです。
農家さんによって、受け継がれた紡ぎや織りの手法は様々のようで、色んな方にお話しを聞くたびに、
新たな発見があります。
現在との時代背景の違いも勿論ありますが、皆さん自分の手に素晴らしい技術をお持ちだったのだなあと、尊敬と羨望の眼差しで思いを馳せます。
各家庭がオリジナルブランド。
かっこいい。

物が溢れた現在も勿論便利でありがたいと思いますが、物があまり無かった時代の各個人に備わっていた発想や器用さ、つくり出す力は、とても豊かだったんだろうなあと思います。

ま、お腹がグーっと鳴った瞬間、コンビニに走り出す私は昔には戻れませんが。


座繰り糸。精錬が上手くできるようになりたい。

座繰り糸で織ったショール。母用です。
もう少し濃い緑が好きそうなので、これは後日染め直し。と。



角真綿。
両手で引張ってフワフワの真綿にして紡ぎます。
真綿から紡いだ糸はとても柔らかくしなやかで、この糸で織ったショールの肌触りが一番好きです。



繭の周りにふわふわしてる毛羽。
お蚕さんが足場用に最初に吐きだす糸です。
出荷の前に毛羽は取ってしまうので、大量の毛羽が手元に残ります。
毛羽は紡ぎ車で糸にしました。
ざっくりとした糸なので、編み物などに使われることもあるそうです。
編み物は下手なので・・、冬用のマフラーを織ってます。
毛羽らしく、ざっくりと織れて暖かそうです。
実験で、ところどころに座繰り糸も織りこんでみました。
水を通した後、縮み方にどんな変化があるのか楽しみです。



そんなこんなな日常を送ってます。
落ち着いたらやるべきことが他にもあったような~。と、ぼんやり考えていたら、

おふっ!
バイトせないかんじゃないかい。

ということで、明日から1週間バイトウィークです。
久しぶり人がたくさんいる場所に行きます。
それだけで、なんかわくわくします。

2014年10月24日金曜日

湯の端美術展の思いで


GWに参加させていただいた 【山鹿 湯の端美術展】 の撮影をされていた方からたくさんの画像をいただきました。
すごい!1000点以上ありそうです。
GWは翌日から稚蚕飼育が始まったので1日だけの参加でしたが、とても楽しい時間でした。
たくさんの作家さん達が出展をされていたのですが、どこも回れずじまいだったので、
これからゆっくりと写真を見て【湯の端美術展】を満喫したいと思います。
たくさんの写真ありがとうございます!

当日はくまモンが織り体験に来てくれました。
くまモンのまん丸なお手手はシャトルを握る事が出来ず、短いお足は踏み木を踏む事も出来ず、
てんやわんやでしたが、楽しい思い出です。

くまモン、わたしね、汗だくだくになったよ。

体験中、糸が切れるなどのハプニングがあったのですが、ハプニングさえも一瞬で物語にして周りを笑顔にするくまモンは、さすがだなぁと思いました。
よく調教され・・、いや、とても頭が良く、とても可愛いくまモンでした。

ハプニングだらけの毎日、これを全て笑顔に変えれたら、さぞや年中楽しかろう。
明日からやってみるとしよう。

来年はお客さんとして【湯の端美術展】と山鹿の街並みをゆっくり楽しみたいと思います。

2014年10月11日土曜日

真綿


真綿つくり。
まだまだ綺麗な真綿をひくことはできません。
均等に引くのは難しい。
こちらは、真綿づくりを教えていただいてるオニキ先生の様子。
50年真綿づくりをされていらっしゃいます。
とても軽やかで流れるような一連の手さばきを見ていたら、私も出来そうな気がするのですが(←すみません・・)、実際にやってみると、手元があたふたあたふた・・。
見るのとやるのじゃ大違い・・。
流れるような美しい真綿作りはまだまだ先の話です。

来年の春までに、もう少し綺麗な真綿を引けるよう目下練習中。

そういえば、『真綿で首をしめる』という言葉がありますね。
真綿はとても柔らかくしなやかですが、強いです。

台風の影響でしょうか。
風が強く、目を離したら吹き飛んでしまいました。

2日後に九州に上陸するといわれる台風19号、心配です。
今年は台風が多いようですが、これ以上の被害がないことを願います。
主を待つ車。
いつも泥だらけにしてごめん。

2014年10月9日木曜日

歯車

先日新しく仲間入りした座繰り機。
明治と記されているので、100年程前のものでしょうか。
座繰り機の緻密に計算された歯車の動きを見るたび、これを作った職人さんの姿を想像して、ゾクゾクと心が揺さぶられる毎日。
そして、『これ自分で作ってみたいな~』 と、しばし考えて、
『うん、無理!』 と、毎回同じ結論に行き着く毎日。
餅は餅屋だ。

無心で磨いていたら、積年の埃でいい具合に落ち着いていた色合いまで磨きとってしまった・・。
お~、なんてことを・・。
磨くのは底板でやめて、あとは軽く埃を落とすだけにしました。

折れていたところ等を少し補修して、糸をひいてみました。
グルグルグルグル~ガタッ、グルグルグルグル~ガタッ、5周くらい回ると歯車がガタっ噛み合わなくなります。
まだまだ調整が必要です。

問題が生じて事がうまく進まない『たとえ』として、歯車が狂うとよく聞きますが、見事なたとえだな~と思います。
まさに今。

糸づくりや織りをしていると、それが語源とされる言葉によく出会います。
言葉の綾とか、管を巻くとか、へそくりだとか、ふしだらだとか。
面白いな~もっとたくさんの言葉を知りたいです。


月食、とても綺麗でした。
いいカメラが欲しいと初めて思った夜。
隠れる時は下からなのに、出てくる時は横からなんだ~。
庭でビール片手に2時間ほど眺めました。
少し肌寒かった夜。
家に戻ると体がゾクゾク。
やばい・・。
熱燗にしとけばよかった。