2015年1月10日土曜日

天草

天草という聖地へ、酒を求め、肴を求めさまよう・・・(by吉田類)



美味しいお魚をいただきに天草へ行ってきました。
気分は吉田類です。


天草は養蚕がとても栄えていた町で、大きな繭市場があったそうです。


温暖な気候である天草は、春繭の出荷が日本で一番早く、その年の国内の春繭相場を決めるほど盛況だったとの事。

現在、繭市場はなくっていますが、跡地には繭神様神祠(まゆがみさまみほこら)が祀られています。

数年前、町の方々により新しく再建されたそうです。
繭市場や養蚕農家さん達がいなくなっても、こうやって感謝をお伝えできる場所、歴史が刻まれた場所、を町の方々が守り続けられている姿は素敵だなと思いました。


繭市場の跡地に立つと、その当時の賑わっていた景色、ざわついた音、威勢のいい声、立ちこめる繭の匂い。全てが頭の中に流れます。

昨年まで私が育蚕をさせていただいていた場所は、稼働を終えた製糸工場の跡地でした。
まだ工場は残っており、育蚕期の真夜中、工場の前で目を閉じると、賑やかな音、忙しく台車を運ぶ工員さん、ボイラー室の大きな音、立ちこめる湯気、くっきりと目の中に浮かびました。
今この場所に自分がいさせてもらえる事、目には見えないものに許しをもらったような感覚、幸せだな。と、いつも思っていました。
夜中に一人で怖くないの?と、よく聞かれましたが、お蚕さんのザーザーと桑の葉を食べる音を聞きながら先人と語らえる夜はとても幸せでした。


この数年間、目に見えないものや耳には聞こえないものをたくさん頭に描いてきました。
そして現在、その場所にたつと一瞬で頭の中に映像、音声、嗅覚付きで流れるようになりました。


・・・人はそれをファンタジーと呼ぶのかもしれませんが。


頭の中に生まれるこの映像(空想)は、自分自身の現時点での経験値や知識、感情、、色んな事が絡まって映し出されているものだろうから、今の私にしか見えない頭の中の映像は宝物だな。といつも思います。
これからもっと色んな経験や知識が増えるごとに映像は上書きされ、壮大なスケールと豪華キャストでお送りされるのだと思う。
乞うご期待。自分劇場。




と、そんなこんなで美味しいお魚と美味しいお酒をいただいてきました。
お酒を飲みながら窓の外に見ていた景色と波の音。
(これは想像ではなくリアルに。)
朝起きて庭からの景色。
二日酔いも吹っ飛んだ。

酔い醒めの水は甘露の味。
たぶんしょっぱいだろうけど。

天草。
とても癒されました。