2015年6月2日火曜日

上簇

先週、無事に上簇しました。




5月1日に孵化したお蚕さん。

 孵化したときはこんなに小さかったのに、

 たくさんの桑の葉を食べて、立派に成長。


おおよそ1か月の間、毎日お蚕さんの成長を見ながら、

上簇を迎えるその時のイメトレを毎日行ってきました。



前回の上簇で手間取った部分を改善するべく、

『こうなった時はこうしよう。』

『この道具はこの動線に配置しよう。』

あれやこれや考えました。


結果、全てがイメージ通りにとはいかず、相変わらずのてんやわんやな上簇でしたが、

毎回勃発する新たな課題をひとつづつクリアしながら、

お蚕さんに負荷をかけず、快適に営繭に入ってもらえるよう、

これからも知恵を絞り続けていこうと思います。



上簇は2日間、夜通しで行いました。

まだ3年目の私は、どこで一区切りを着けてよいのか、うまく判断ができません。
仕事を終え、手伝いに来てくれた姉。

ここから丸一日、ノンストップでお蚕さんを拾い続けてくれました。



育蚕期、気持ちに余裕を持てない私を気遣い、励ましてくれながら、

『きつい』の一言も言わずお蚕さんの事を第一に考え手伝ってくれる姉。

昨年まではお蚕さんを触ることもできなかったのにね。。

今では熟蚕を見分けるのが、私よりうまいかも。


厳しい上簇を、気心知れた姉と乗り越えれることは、とても幸せなのだと思います。



一段落ついた真夜中、姉とコーヒーを飲みながら夜空を見上げたら、

びっくりするほど綺麗に光った月と、満天の星空でした。



今回の春蚕の飼育は、新しく引っ越した蚕室で行いました。

この場所で育蚕を行えることは、私の人生にとって奇跡のようなものだと思っています。



無事に上簇してくれたお蚕さん。

この場所を与えてくださった方々。

色んな事を教えてくれる先輩農家の方々。

優しい姉。

丈夫な体に育ててくれた両親。

いつも心配してくれる周囲の方々。

自然や、私の存在を許してくれている全てのもの。



星空を眺めながら、感謝の気持ちがどわーっと溢れてきました。

本当にありがとうございます。



上簇を終えて、疲れも含めて一気にいろんなものが溢れてきましたが、

育蚕も畑仕事もまだまだ続きます。

気を抜かず努めます。

出荷の準備に取り掛かる先輩農家さん。

うかうかしちゃいられない。