2018年8月31日金曜日

3令眠

3令のお蚕さん。

桑の葉を食べる勢いも増してきました。

夕方くらいから眠に入りだすかなと予想していましたが、

午前中、早くも眠に入りだしたお蚕さんもちらほら。

3令になると体の大きさも就眠のタイミングも個体差が出てきます。

寝揃うのを待つ間、先輩農家さんと桑を摘んだり、お昼ご飯食べに行ったり、

町で一番の大きなホームセンターに行ってショッピングを楽しんだり。

いつもは3令から枝ごと切っていたのですが、

今年は桑の発育が芳しくなく、来春の桑が足りそうにないので、

4令までは枝を切らずに桑の葉を摘みます。

桑の葉を摘みながら、

『これまで養蚕を続けてきてよかった~。

あんたと一緒に飼育ができてこげん楽しいっちゃもん。』

と、先輩農家さんからの嬉しいお言葉。

ご主人が亡くなられる前、

『俺は最後の一軒になっても養蚕を続ける。』

と、ずっと言われていたそうです。

『あん言葉がなかったらうちも辞めとったやろうね。続けとってほんな良かった。』

そして、養蚕という、お蚕さんを育てる。ということの重みについて、話を聞かせてくださいました。

先輩農家さんはとてもおおらかで明るく、いつもガハハハ~と笑っています。

先輩農家さんの楽しく笑いながらの何気ない会話の中で話される、

お蚕さんを育てるということの重み。

それは、どの教科書にも載っていない、長く続けてきた農家さん達だけが心の中で知る

大切な重みなのだと思いました。

きっとそれは養蚕だけではなく、いまある全てのことがそうなんだ。と、

ふと私の中での世界の見え方が変わった瞬間でした。

お蚕さんがほぼ寝そろい、

先輩農家さんはお蚕さんを連れていざご自宅へ。

先輩農家さんの家の蚕室は、とても涼しくお蚕さんも快適な環境です。

今日からは別々の育蚕ですが、私も先輩農家さんに追いつけるようしっかりと努めます。