2020年5月20日水曜日

春の育蚕

今年も春の育蚕が始まりました!

生まれたてのお蚕さん。

こうじかび病等の予防の為、蚕体消毒をしてから桑をほんの少しのせて、

2時間ほどでお蚕さんが桑に這い着いたら、羽箒でやさしく掃き下ろして、

きれいに蚕座を整えて、新しい桑をのせます。

ふた桑程食べると体もだいぶ白くなってきますが、まだ毛に覆われてホワホワしてます。

2日目、小さいながらも桑をもりもり食べて、体長は3mmほどに。

3日目、毛ぶるいして、体は白くつるっとプリっとなりました。

4日目、体長5mm程に。
2令に向けて脱皮のため眠に入ります。食桑不足のまま眠に入らないよう、動きが鈍くなってきたお蚕さんに最後の責め桑を充分に与えます。

8割ほどのお蚕さんの動きが止まって眠に入ったら、

蚕座をめいっぱい拡げて、

石灰を振って、あとは一日おやすみなさい。


1令期は、室温27℃、湿度75~80%を目安にしてますが、眠中は室温湿度ともに少し下げてます。

起蚕中は、周りに濡れ新聞と防乾紙をかけていますが、眠中は乾燥を促すため全部外します。

眠中はなにも被せない方が良いのですが、この黒いシートだけ蜘蛛からお蚕さんを護るために被せてます。
以前、眠中に蜘蛛にお蚕さんを大量に食べられた経験があり・・・。

稚蚕飼育を行っているのは、築100年以上の母家の一室。
いろいろ対策はしているのですが、やはりどこかしこ入り込む隙間があります。。



この春は色々と慌ただしく、直前までバタバタと準備をしていました。

掃き立て前日まで、準備は万全だろうか?消毒はちゃんとできているだろうか?と、わたわたオロオロしておりましたが、育蚕が始まってからようやく気持ちがズドンと落ち着きました。
育蚕中は、目の前のお蚕さんのことだけを見て、考えて、菌や病気を持ち込まないようお蚕さんの体調に留意しながら、しっかりと大切に育てていきたいと思います。

そして、育蚕に従事・集中できる環境に感謝しながら、また、育蚕をできる喜びと幸せを感じながら、良質な繭になるよう努めます!