2014年7月17日木曜日

ありがとう


先日、小学校で体験学習を行いました。
うん十年ぶりの小学校。
懐かしい匂いを胸いっぱい吸い込んで、しばしノスタルジック。

とても人懐っこい子供達。
車から重い荷物を頑張って運んでくれました。

お蚕さん達に桑の葉をあげてワシャワシャと食べる音に静かに耳を傾けたり、
お蚕さんを手に乗せて、柔らかでスベスベした感触を確かめたり、
農家ではなかなかできない体験に私自身も一緒にお勉強。

お蚕さん達もお腹いっぱいになったところで、学習開始。
お蚕さんの学習は理科の授業の一貫です。

まずはお蚕さんの生態やなぜ農家で育てられているのかというお話をしました。
体験学習に連れて行ったお蚕さん達は、これから子供達が研究し育ててくれます。
夏休みの間に繭になり、蛹になり、蚕蛾になり、産卵して短い生涯を終えます。
お蚕さんはとても可愛いけれどペットではありません。
自らを守る為に糸を吐き、そしてその糸を私達人間がありがたく頂きます。
子供達が見守る中その生涯を終えた時、ちゃんとその理由を知ってほしいという思いでお話をしました。
子供達の素直な疑問や着眼点はおもしろいもので、私も調べながら一緒に成長できたと思います。

一時間程、熱血農家のおばはんと化した後は、和やかに体験を行いました。
まずは糸繰りです。
先日工作した即席糸繰り機の出動です。
10個の繭からできる糸の手触りや質感の美しさ、繭から糸がほどける時のシュルシュル~という音などを感じてもらいながら、クルクルと紡いでもらいました。
クルクルしながら子供達が 『お蚕さん、ありがとう』 と呟いているのが聞こえてきました。

!!!

わたし、とても、嬉しかったです。
本当にありがとう。

そして、糸繰りを終えた後は機織り機で布になっていく過程の体験です。
工房でもいつも思うのですが、子供達は機織りを習得するのがとても早いです。
大人は『こうやって~ああやって~次は右、次は左』 と、次の動作を頭で考えながらされる方が多いのですが、子供は理屈ではなく身体が自然に順応していくというか、頭で考える前に身体がリズムとして反応している気がします。
すごいな~子供って。と、いつも感心します。
こちらの生徒さん達もホントに早かった。そしてとても上手でした。

という感じで、お蚕さんから繭になり、糸になり、布になっていく。という体験学習を行いました。
私自身とても勉強になり、なにより、子供達のお蚕さんに対する 『ありがとう』 の気持ちに、
元気をもらいました。
本当にありがとう。
そして、お忙しい中、充分な体験時間と準備期間、この機会を与えてくださった担任の先生に感謝しています。





















私も6頭のお蚕さんを連れて帰りました。
帰宅後、顔に葉っぱを乗せたままお食事中。お腹がすいてたんだね~。





















体験学習から3日後、繭を作り始めました。
生徒さん達が育てているお蚕さんも、皆上簇したそうです。良かった!





















6頭の飼育だったので、食べたいだけの桑の葉を十二分に与えたら、とても大きな繭層も厚い立派な繭になりました。
育蚕期、温度管理・餌の量、もっと完璧にすることができたら、こんな立派な繭になるんだろうな~。
次の育蚕期、がんばるぞ!