2016年7月14日木曜日

7月23日『育てる』8月20日『紡ぐ』 体験

7月23日(土)『育てる』、8月20日(土)『紡ぐ』、2回に渡り体験学習を行います。
日にちが近く、告知が遅くなりましたが、興味のある方は是非ご参加ください。
2回続けてのご参加をお願いします。
ご都合が悪い場合は1日でもOKです。


   詳細はこちら
    ↓ ↓

7月4日に孵化したお蚕さん。

今日現在、3回の脱皮を経、4令1日目です。
体長は3cm 程で、4令になると桑の葉を食べる量もだいぶ増え、

体もみるみる成長していきます。

体験を行う7月23日は、5令の中頃で一番食べる頃です。



体験について。

長いですが、よければ読んでください。


●1回目 『育てる』 の体験について。

これまで、育蚕の見学希望のご連絡をいただくことがあったのですが、

お断りをしていました。

理由は、お蚕さんはとてもデリケートな為、蚕室は消毒を徹底し、育蚕中は人の出入りを極力控えています。

そして、飼育頭数も数万頭と数が多く、桑刈や給桑、蚕座(さんざ)の掃除、など、1日にやるべきことが多く、

どうしても、応対をすることができません。

お蚕さんがたくさん桑を食べるよう環境を整え、温度に注意し、病気を発生させず、立派な繭に育て、

出荷に備え様々な準備をする。

『繭』 という恩恵をいただく私(人間)は、お蚕さんに対し精一杯努める。

それしかできないし、それが農家の責任なので、育蚕中は少し神経質にもなっています。


しかし、見学のお断りをする時はいつも心苦しくもあり、また、見ていただきたい、

知っていただきたいという思いもありました。


今回の体験では、5000頭を飼育しています。

通常の飼育よりだいぶ少ないです。

もちろんいつも通り注意を払いながら飼育しておりますが、出荷を伴わない飼育です。

繭は大切に使用します。

これから先、通常出荷の飼育を行わない夏の時期は、毎年5000頭程を飼育しますので、

見学や体験に来ていただきたいな。と、思います。




●2回目の『紡ぐ』体験について。

これまでも、工房やイベントを通じ、紡ぎの体験は何度も行ってきましたが、

毎回感じることは、やはり、お蚕さんの育つ過程から知っていただきたい。と、いう思いでした。

多くの方がお蚕さんの事をよく知っておられ、繭を大事に扱ってくださいます。

しかし時に、お蚕さんを知らない方の繭の扱われ方によっては、心が少しもやもやすることもありました。

こんなふうに繭を扱われるのはもったいない。と、感じることもありました。

そして、残酷だ、かわいそう、との声を耳にすることもありました。

感じ方、扱い方は人それぞれなので、それは自由です。

でも、紡ぐ前にお蚕さんや養蚕のことを少し知ってほしいな。と、思うようになりました。

お蚕さんは、経済動物であり、家畜です。

お蚕さんによりお金が生み出され、歴史の中で経済が発展し、暮らしもだいぶ変わったのだと思います。

農家さんにとって、お蚕さんは大きな収入でした。

しかし、経済動物だからといって、全ての気持ちが割り切れるわけではありません。

『お蚕さん』 や 『お蚕さま』 という敬称は、昔からそう呼ばれているので私も最初からそう呼んでいましたが、

たとえ知らなかったとしても、育てていくうちに自然とそう呼んでいたと思います。

今は、『お蚕さん』 という口から出る言葉と、お蚕さんを尊う自分の心が 完全に重なっています。

育てるときも、紡ぐときも、感謝の気持は同じです。




すみません・・・長くなりましたが、

夏は是非 『お蚕ファーム』 に遊びに来てね!

という、お話でした!