7月23日(土)『育てる』、8月20日(土)『紡ぐ』、2回に渡り体験学習を行います。
日にちが近く、告知が遅くなりましたが、興味のある方は是非ご参加ください。
ご都合が悪い場合は1日でもOKです。
詳細はこちら
↓ ↓
7月4日に孵化したお蚕さん。
今日現在、3回の脱皮を経、4令1日目です。
体長は3cm 程で、4令になると桑の葉を食べる量もだいぶ増え、
体もみるみる成長していきます。
体験を行う7月23日は、5令の中頃で一番食べる頃です。
体験について。
長いですが、よければ読んでください。
●1回目 『育てる』 の体験について。
これまで、育蚕の見学希望のご連絡をいただくことがあったのですが、
お断りをしていました。
理由は、お蚕さんはとてもデリケートな為、蚕室は消毒を徹底し、育蚕中は人の出入りを極力控えています。
そして、飼育頭数も数万頭と数が多く、桑刈や給桑、蚕座(さんざ)の掃除、など、1日にやるべきことが多く、
どうしても、応対をすることができません。
お蚕さんがたくさん桑を食べるよう環境を整え、温度に注意し、病気を発生させず、立派な繭に育て、
出荷に備え様々な準備をする。
『繭』 という恩恵をいただく私(人間)は、お蚕さんに対し精一杯努める。
それしかできないし、それが農家の責任なので、育蚕中は少し神経質にもなっています。
しかし、見学のお断りをする時はいつも心苦しくもあり、また、見ていただきたい、
知っていただきたいという思いもありました。
今回の体験では、5000頭を飼育しています。
通常の飼育よりだいぶ少ないです。
もちろんいつも通り注意を払いながら飼育しておりますが、出荷を伴わない飼育です。
繭は大切に使用します。
これから先、通常出荷の飼育を行わない夏の時期は、毎年5000頭程を飼育しますので、
見学や体験に来ていただきたいな。と、思います。
●2回目の『紡ぐ』体験について。
これまでも、工房やイベントを通じ、紡ぎの体験は何度も行ってきましたが、
毎回感じることは、やはり、お蚕さんの育つ過程から知っていただきたい。と、いう思いでした。
多くの方がお蚕さんの事をよく知っておられ、繭を大事に扱ってくださいます。
しかし時に、お蚕さんを知らない方の繭の扱われ方によっては、心が少しもやもやすることもありました。
こんなふうに繭を扱われるのはもったいない。と、感じることもありました。
そして、残酷だ、かわいそう、との声を耳にすることもありました。
感じ方、扱い方は人それぞれなので、それは自由です。
でも、紡ぐ前にお蚕さんや養蚕のことを少し知ってほしいな。と、思うようになりました。
お蚕さんは、経済動物であり、家畜です。
お蚕さんによりお金が生み出され、歴史の中で経済が発展し、暮らしもだいぶ変わったのだと思います。
農家さんにとって、お蚕さんは大きな収入でした。
しかし、経済動物だからといって、全ての気持ちが割り切れるわけではありません。
『お蚕さん』 や 『お蚕さま』 という敬称は、昔からそう呼ばれているので私も最初からそう呼んでいましたが、
たとえ知らなかったとしても、育てていくうちに自然とそう呼んでいたと思います。
今は、『お蚕さん』 という口から出る言葉と、お蚕さんを尊う自分の心が 完全に重なっています。
育てるときも、紡ぐときも、感謝の気持は同じです。
すみません・・・長くなりましたが、
夏は是非 『お蚕ファーム』 に遊びに来てね!
という、お話でした!