2017年1月31日火曜日

糸づくり

養蚕と同時にはじめた糸づくり。

それなりに糸はつくれるようになりましたが、

それなりのその先に行きたいと思っています。

頭でイメージした糸をかたちにできるよう、自分の手にあったつくりかた、

よい塩梅を見つけたいのです。

私の周りには糸づくりをされている方、また、昔されていた方がたくさんいらっしゃるのですが、

皆さん独自のそれぞれの方法、知恵を持っていらっしゃいます。

糸づくり、基本はあるけれど、正・誤 はないのだな と、いつも思います。

座繰り糸。
お湯の中で繭から糸口を見つけ、一気に巻き上げて1本の糸にします。

糸が出てくる時は、さわさわさわ と、とても美しい音がします。


2本の糸に撚りをかけて1本にしています。

撚りの掛け具合もいろいろ試していますが、まだコレ‼ というのはつかめていない・・。

繭から糸を引き出した段階ではセリシンが付いており糸はパリパリしているので、

藁灰汁(アルカリ)でじっくりと糸を焚き精練して柔らかな絹糸になります。

ここが、いつも課題なところ。

繭の具合、糸をつくってからの時間の経過、糸の撚り具合、藁灰汁の濃度、

さまざまな条件で仕上がりも変わってくるのだと思いますが、もう少しなにかをつかみたいところ。

糸の様子を見ながら、そして糸を痛めないように気を付けながら数時間コトコトと炊きます。

 養蚕の先輩お母さんにいただいた稲藁。
藁灰汁を毎週のように作っているので藁がどんどん減っていく・・・。

次回藁が入手できるのはもちろん秋。どうしようか・・・。

糸が炊き上がったら、しっかりと水洗い

洗いが足りないと、乾いたとき糸が絡まりやすい。
この最後の水洗いの作業が一番好き。

柔らかくなった絹糸の何とも言えぬ手触り。

水の中できらきら輝きながら揺らめく糸を見ていると溜息が出る。


糸づくり、正解がないかわりに失敗もないけれどとても奥が深い。

わかることは、手間を惜しんではいけないことと、

長い時間を要し細かい作業の多い糸づくりではあるが、

絶対にイライラしたり焦ったりしてはいけないこと。

そんな時は糸が絡まったり切れたりしやすい。

そして絡まった糸を数時間かけて解くことになり、

終いには自分が切れそうになる。

糸づくりに限ったことではないが、イライラしてもろくなことがない。

自分の中で納得のいく糸が出来たら染める予定でいる玉ねぎの皮。

とても美しい色に染まるので日々頑張って食べています。


お蚕さんの生み出す美しい糸。

感謝の気持ちを持って大切に紡いでいます。

腕を磨き、一番良いかたちに仕上げたいのです。