2020年6月1日月曜日

4令


早口のお蚕さん達は4令の眠に入りました。


石灰を被って2日弱おやすみし、脱皮の準備中。


こちら拾い上げた遅口のお蚕さん達は、だいぶ動きは鈍くなってきましたが、もう少し食べそう。最後の最後まで食い込んでから眠に入ってほしいので、しつこく責桑。




3令までは、こんなにコンパクトに収まっていましたが、

3令眠前に蚕室に引っ越しをして、


5令になる頃には、広い蚕室いっぱいに成長します。

うちの5000本の桑の木も見事に食べ尽くします。



育蚕には基本の流れはありますが、それぞれの農家さんが知恵や工夫を凝らして、お蚕さんを快適に育てている。

私も、そんな知恵や工夫を考えるのがとても好きだ。

こうやったらいいかも。と、思ったことはすぐに試してみたくなる。

その試みがうまく行ったとき、

『私はお蚕さんを育てる天才なんじゃなかろうか。』と、心から浮かれる。(←昨晩)

うまく行かなかった時、『私にお蚕さんを育てる資格はないんじゃないだろうか。私は農家として失格だ。』と、どん底まで落ち込む。(←今朝)

そして、10分ほど落ち込んだ後、『やってしまったことは仕方がない。時間は戻せないから立て直す方法を考えよう。』と、あれやこれや知恵を絞る。(←今ここ)


農家になって9年間、育蚕中は毎回こんな感じ。

毎回一年生で、毎日が必死。

今も失敗はたくさんあるけど、明らかに変わったのは、うまくいかなかった時の立て直しの選択肢がとても増えたこと。

最初はどう立て直して良いのか分からないことがたくさんあった。

失敗したからこそ気付けたことがたくさんある。

『うん。失敗もいいものだよな。。。』

・・と、ぶっこく余裕はありませんが、引き続き気を引き締めて、大切にお蚕さんを育てます。