2020年8月24日月曜日

幸せな時間

 


7月の初め、染色作家の吉田美保子さんと、着物エディターの安達絵里子さんが遊びに来てくださいました。

たくさんのお話をして、それはもうとてもとても贅沢で幸せな時間でした。




その時のことを、安達絵里子さんが、エッセイに書いてくださいました。

一生の宝物です。嬉しい。。そして、泣けた。。
(自分のことなのに・・いろんなことを思い出して泣きました。。)
本当にありがとうございました。

毎日を着物で過ごされている安達さん。
所作も姿勢も指先までも凛として美しく、そして、言葉が本当に美しい人だな。と思いました。

なにげない会話でも、まるで1冊の物語を読んでいるような、その物語の中には粋な遊び心やお茶目な可愛らしさが織り込まれていて、それはとても心地よく、会話の中の言葉をひとつも聞き逃したくないな。という気持ちになりました。

言葉のひとつひとつを、とても大切に、大事にされていらっしゃるんだなと思いました。

安達さんの語られた言葉は、私の耳にではなく、しっかりと心の中に残っています。


誰かに何かを思いを伝えるって難しいなと、いつも思うのですが、自分の言葉を大切にしたらもう少し相手にちゃんと伝えることができるのかもしれません。
私には訓練が必要ですが、これからは自分の言葉を大切にすることを少し意識しながら、会話を楽しんでみたいなと思いました。




そして、染色作家の吉田美保子さん。
4年前に熊本で個展をされた際に初めて作品を拝見し、それ以来ずっと、吉田さんの作品と吉田さんご本人のファンです。


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安達絵里子さんが、吉田さんの織られた着物のこと、4年前の熊本での個展のことを書かれています。吉田さんと安達さんの着物でのツーショット。
私が初めて個展で拝見した時です。
本当に美しい。。

私は、着物の知識はないのですが、お蚕さんを育てるひとりとして、絹で織られた着物や作品を見るのがとても好きです。

吉田さんの織られた着物や帯を初めて見たとき、とても清らかで眩しくて心は興奮しているのに、見ているととても穏やかな気持ちになっていくのを感じました。
それはもう、絹の経糸緯糸一本一本の細部までとても美しかった。

そして、ひとつひとつの作品について説明をされている吉田さんご本人と作品が、まるで全く同じ光を放っているような、不思議な世界に自分が入り込んでしまったかのような錯覚がおきました。

ひとつの作品が織りあがるまでに行われるたくさんの工程、筬を打ち込む指先、踏み木を踏む足先、その全てに感覚を研ぎ澄まし全神経を集中すれば、作品と作り手が同じ光を放つようになるのだろうか。と、個展からの帰り道、いろんな空想が私の頭の中を駆け巡りました。

なんともうまく言い表せない不思議な気持ちを味わったのと同時に、『あぁ、人はこうやって美しいものに 人に 出会い、心動かされ、作品の、作家さんの、ファンになっていくのだな』と、思いました。

織ることを生業とされ、大海原の中をしっかりと自分の手で船を漕ぎながら生み出された美しい作品。

清らかで力強くもある美しい作品に触れるたび、心が満たされるとともに、私はお蚕さんのことをとても誇らしく思うのです。
そして、私も誠心誠意、大切にそして真剣にお蚕さんを育て、良質な繭となるようもっと学び勉強していきたいと、心から強く思うのです。



本当に楽しく幸せな時間をありがとうございました。

がんばります!