2015年8月27日木曜日

台風一過

台風15号。

台風に備えて閉めた雨戸も、夜中に吹っ飛んでしまいました。

夜が明けて、畑を見に行こうと車で走り出すも、

倒れた大木でどこもかしこも通行止め。

結局車を停め歩いて畑へ行くも、畑へ行く道も倒木で通れず。

よそ様の民家や畑をすり抜け、ようやく裏の栗山へ到着。

倒れた栗の木、収穫を待たず落ちてしまったたくさんの栗。





そして桑畑。

殆ど折れていました。

畑に敷いた除草シートも、ものの見事に吹き飛ばされていました。




『うん。なんとなくそうだろうと思った。』

畑へ続く道のりの光景で、なんとなく予想はできてました。






蚕室や敷地内の建物は、瓦が数枚飛んだだけで無事でした。




午後からは、自宅周辺の倒れた大木や瓦なんかを、

ご近所さん達とせっせと片づけて、

断水してるおうちの方にはポリタンクで水を運んだりして。



『野菜は全滅よー。無事やったのは我が体だけた~い。』

と、笑顔を見せる野菜農家さんも、

先日、『あと10日程で収穫できるばい。』

と言って、自慢の梨を試食させてくれた農家さんも、

みんな、力を合わせてたんたんと目の前にあることをこなしてる。



翌日、まだ家の電気が復旧していない隣の農家のお父さんは、

『今夜はいつもより早い時間から呑ませてくれ。』

と、奥さんに手を合わせて、みんなを和ませてた。←本気の懇願だったけど。


熊本へ来てからのお知り合いは農家さんが多いのだけど、

逞しさと根気強さとユーモアのセンスに、いつも、へー、ほー、と感心させられる。



そして、消えたままの交差点の信号も、

みんな譲り合って、事故もなくスムーズに流れてる。







自然相手じゃ、どんなに守りたくて両手を広げても、守れない。

ことのほうが多いし、

備えあれば憂いなしだけど、限界もある。



野菜も果樹も、収穫の時期だけ手がかかるわけじゃない。

1年を通し、土を作って耕して肥料をまいて剪定して除草して、色んな作業を経てようやく収穫の時を迎える。

そんな収穫の時を前に、みんな胸の中にいろんな思いがあるのだろうけど、たんたんと目の前のことをこなしてる。

朽ちてしまった作物を前に、なにも言葉はでてこないし、私の拙い言葉を絞り出してもきれいごととしか思えないので、

ただ、たんたんと自分にやれることをやっていくしかない。



周りの農家さんの被害に比べたら、桑畑は・・・、なのかもしれないけど、

この畑は、私が大事に守っている畑で、

まだまだ未熟で、いつも草ボーボーにしてしまっているけど、本当に大事な畑。

ひとりごとをつぶやけるブログでしか言えないけど、ショックだ。悲しい。




とりあえずは、折れた桑の木を切ろう。

剪定は、この時期じゃなく、いついつまでにやればいい。

3年経って、なんとなくの事が分かってきたし、

シートを張るのも、初めての時四苦八苦したおかげでコツがつかめた。

今度は楽勝だ。




 台風前日の桑の木。

太陽に向かって真っすぐに伸びてる。

 桑畑の中でポツンとしゃがんで草刈りしてるときは、ちょっとしたラビリンスだった。



春はなかなか芽が出ず、育蚕に使えなかったのだけど、

この2ヵ月でぐんぐん伸びて、私の背を追い越した。

来季には潤沢な桑の葉で育蚕が出来ると目論んでいたのだけど、残念だ。

(別の場所にお借りしている桑畑はなんとか無事でした。)





ちなみに、こないだの健康診断で身長が1㎝伸びて163㎝になってた。

毎日太陽の下で働いてるから伸びたのだろう。

と、思っている。




太陽の光と恵みの雨があれば、また作物は成長してくれる。

これからも、自然の恵みに感謝しながら、自然の力に鍛えられていくのだろうな。

と、思う。