2016年11月29日火曜日

養蚕農家の暮らし

養蚕最盛期の時代と、現在と、忙しさや苦労は全く違うけれど、

私なりにガサゴソとそれなりに忙しく毎日を過ごしています。

やればやるほど思うのは、

昔の人、やっぱりすごい。


私は養蚕農家の、季節と共にある暮らしが好きです。

今はまだやるべきことがてんこ盛りで、

移ろう季節を 『待ってくれ』 と追いかけてばかりですが、

まもなく訪れる農閑期に向けて、畑仕事に精を出しています。


そんな畑の合間合間に頑張っているのが、母屋の片付け。

最近ポツポツと訪ねて来てくださる方が増えてまいりましたので、

気合を入れてお片付けです。


私が養蚕農家として育蚕やものづくり、夏の体験学習など取り組んでいるこの場所は、

熊本の養蚕・蚕糸の文化を残していく場所として、

熊本県蚕糸振興協力会によって用意された場所です。

養蚕や蚕糸について興味を持たれている方が、

気軽に訪れてくれる場所になれば良いな、と、思っています。

ぼちぼちとHPも作り替えていく予定です。


展示やものづくりを行っているこの母屋は、

大正時代に建てられ、その後増築などが行われていますが、

実際に長い間養蚕が行われていました。 
このお着物は、数十年前、この家のおばあさまが織られたものです。
あまりに美しく、そして可愛く、腕を通してみたくてウズウズしてしまいました。

このお着物に似合う帯を織ってみようと思っています。(着物ぜんぜん詳しくないけど・・)

数十年前、この場所でおばあさまが育て、紡ぎ織られたお着物と、

私が育て紡ぎ織った帯。

トルソーに着せてこの母屋に展示するのが目標です。


この母屋には、蚕糸振興協力会により大切に保管されてきたもの、

私がこれまで集めてきたものがたくさん詰まっていて、

言わずもがな、私の大切な宝ものなのであります。 

2階にはたくさんの資料。(まだ箱から出せてないけど・・)

興味深い本や資料がたくさんで、養蚕について知りたいこと全てがここにあります。

この織り機は以前隣町で工房をしていた時にいただいたもの。

飛び上がるほどうれしかったなあ。
この1m幅を織れる織り機は昨年の冬にいただきました。

実は、幅広の織り機がずっと欲しくて、昨年の冬、深夜のケーキ工場で頑張ってお金を貯めていたのです。

目標金額に達成しようとしたクリスマスの前日、1本の電話によりやって来ることが決まりました。

夢じゃなかろうか、と、思いました。

本当に感謝です。。

おかげで貯まったお金は、織りや染色の細々した道具を随分と買い揃えることができました。

これは2年前にいただいた足踏み式の糸車。

70年程前のものですが、現在でもびゅんびゅん動いてくれます。



いろんな道具。

本当に貴重な道具。

この道具が作られた頃、木の色もまだ初々しく、家の方に大切に迎えられ、長い間大事に扱われてきたのだろう。

色んな時代を乗り越え、木の色にも味が出て、私の元へやって来た。

まだまだ道具にも笑われそうな腕だけど、

これから私とたくさんのものをうみだしていきましょう。

お互いちょっと歳はとりかぶってるけど、頑張ろうね。



と、いうわけで、今年中には綺麗にするぞ!